東日本大震災から10年
先週の3月11日、東日本大震災から10年を迎えました。
あの日から、もうそんなに経つのかと時の速さに驚きます。
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実は大きな災害の時こそ、口腔ケアがとても大切です🦷
この重要性が叫ばれるようになったのは、1995年の阪神・淡路大震災がきっかけでした。
この震災で生じた災害関連死の原因の多くが肺炎で、そのほとんどは「誤嚥性肺炎」であると考えられたことから、徹底した口腔ケアによる肺炎予防が災害時の重要課題とされました。
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「誤嚥性肺炎」とは、本来、食道を通るはずの食べ物や唾液が誤って気管に入り込み、唾液とともに流れ込んだ口の中の細菌が肺で繁殖して炎症を起こしてしまう病気です。
肺炎は現在、日本人の死因の第3位であり、肺炎で亡くなる方が増えています。そして、高齢者の肺炎の多くがこの誤嚥性肺炎だといわれています。
高齢者に誤嚥が増える原因は、加齢による筋力の低下・病気の影響による飲み込む機能の低下・誤って気管に入った唾液などをせき込んで外に押し出す咳反射の低下・唾液の量の減少によって口内の細菌は増えやすくなる、などがあります。
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そんな中、災害直後の不便な生活の中で見過ごされがちなのが、衛生面の管理です。
まずは命が助かること、そして寝る場所や食べ物を確保することが優先されます。
そしてライフラインの断絶などで十分に水が使えません。極端な水不足や周囲への遠慮から、普段のように歯をみがいたり、入れ歯を洗ったりすることができないために、口内の細菌が通常よりも繁殖しやすくなります。さらに、十分な栄養や睡眠がとれず、思うように身体を動かすこともできない避難生活で体力が低下し、また災害のストレスで免疫力が低下すれば、誤嚥性肺炎にもかかりやすくなり、高齢者にとっては死に至ることもあるため注意が必要なのです。
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阪神・淡路大震災で誤嚥性肺炎の怖さを学び、歯科業界でも色々努力したのにも関わらず、東日本大震災の災害関連死でも、地震発生から約1~2週間後に誤嚥性肺炎で死亡した人の数が多かったと報告されています。
震災直後から口内で増え始めた細菌は、たった1~2週間のうちに誤嚥により肺に移動して、 致命的なまでに増殖してしまうのです。
このように、災害で命が助かっても、その後の口腔ケアを怠ることで命を落とすこともある、ということを私たちは強く認識する必要があります。
一見まったく関係がないように思われる「災害と肺炎」ですが、日頃の口腔ケアへの意識 こそが、災害時の誤嚥性肺炎を防ぐカギとなります。
中でも役に立つのはデンタルリンスなどの水を必要としない口腔ケア製品です。十分な水が得られない状況では飲み水の確保が最優先で、口腔ケア用にまではなかなか及びません。
そのような状況の時に、水を使わないで口の中を清潔に保つことができるデンタルリンスや口腔ケア用ウェットティッシュなどの口腔ケア用品を日頃から非常用持ち出し袋に常備しておくことです。ハブラシや液体ハミガキ、歯間ブラシやデンタルフロスなど、使い慣れたものを入れておくといいですよ❗️
北島歯科医院では防災グッズも作って置いてありますので、是非この震災の節目に口腔ケア用品を防災バッグの中に入れておく事をオススメ致します。
入れ歯用、子供用、大人用に分かれているので、ご興味のある方はスタッフまでお問い合わせくださいね✨
2021年3月16日 (火)
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